【旧枠モダン】キュモディアンスレッショルド

 FoFがモダンホライゾンに収録され「旧枠モダン終わったな」「破滅だよ」「虚無だよ」となっていたタイムラインが息を吹き替えしたのは間違いなく《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》くんの収録が決まってからだと言える。

 僕自身も線の細い生物でぽこぽこ殴って勝つデッキが好きな人間なので旧枠モダンのカナディアンスレッショルド、略してキュモディアンスレッショルドを組んでみた。

 

  構築のスタートにおいてまず悩んだのは、いかにしてスレッショルドを達成するかだった。

 そもそもレガシーのカナスレとは大まかに言えば、デルバー&マングース&タルモ(最近はネメシスがやや主流か)を軽量ドローと軽量火力、目くらましなどのピッチスペル、そしてフェッチランドと不毛によって高速で墓地を肥やしつつバックアップして速やかに殴り切るデッキである。

 が、現状の旧枠モダンのカードプールで速やかに墓地を肥やしていくには軽量スペルが明らかに足りないと感じた。レガシーのカナスレと同じ動きを狙うとしたら。

 マングースくんが1ターン目に出てきても、相手の返しのタフネス2以上の生物でビタ止まりして成長させる間もなくブロッカーとしても使えずただ無防備に殴られていく。

 ようやくマングースくんが3/3になった頃には相手の場には天使やらギャンコマやら象トークンが並んでいる……そんな未来しか見えなかった。

 ならば、と発想の逆転を。

 マングースくんを「全体除去や高スタッツの生物へのカウンターを構えつつ出せる除去耐性持ちの軽量3点パンチャー」として見てやれば良いという発想に至った。

 つまりマングースくんを出すのは5ターン目以降が目安。それまではコントロールとして動き、盤面を捌き切った後にカウンターを構えつつ着地するマングースくん。

 戦闘以外で着地したスレッショルド達成済みのマングースくんに対処できるカードは旧枠モダン内では非常に少ない。何しろ旧枠モダンにて基準サイズとされる3/3というサイズであり、平成に置き去りにされてきた被覆というキーワード能力持ちである。おまけに旧枠モダンに「プロテクション(緑)」は5/26現在存在しない。

 出来上がったのが以下のリストだ。ちなみに構築時間は脳内で10分くらい。

 

【旧枠モダン】キュモディアンスレッショルド

クリーチャー:8
4:《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》
4:《トゲ尾の雛/Spiketail Hatchling》

呪文:28
2:《燻し/Smother》
4:《禁制/Prohibit》
2:《悪魔の布告/Diabolic Edict》
2:《除外/Exclude》
2:《目録/Catalog》
4:《締めつける綱/Choking Tethers》
4:《嘘か真か/Fact or Fiction》
4:《選択/Opt》
4:《強迫/Duress》

土地:24
2:《島/Island》
2:《沼/Swamp》
2:《森/Forest》
2:《反射池/Reflecting Pool》
4:《汚染された三角州/Polluted Delta》
4:《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
4:《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》
4:《地底の大河/Underground River》

サイドボード:15
1:《悪魔の布告/Diabolic Edict》
1:《緊急阻止/Flash Counter》
2:《反論/Gainsay》
2:《処刑/Execute》
2:《帰化/Naturalize》
2:《蔓延/Infest
2:《獣群の呼び声/Call of the Herd》
3:《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt》

  マナカーブの頂点は《嘘か真か/Fact or Fiction》をおいて他にない。ただしFoFを4ターン目にキャストしハンドを補充してから5ターン目にマングースくんを着地させるという動きを目指す以上、土地24は外せなかった。

 ハンデス、軽量ドロー、軽量除去、軽量カウンター。同じく旧枠モダンリーガルになる《禁制/Prohibit》《除外/Exclude》《締めつける綱/Choking Tethers》《悪魔の布告/Diabolic Edict》たちも惜しみなく採用した。特に締めつける綱に関しては序盤に引いても終盤に引いても役立つということで躊躇なく4積みである。

 脇を固める生物には《トゲ尾の雛/Spiketail Hatchling》を採用した。魔力の乱れ内蔵生物であり序盤のテンポを取りつつマングースくんで殴り足りない2~3点を削ってくれる役割を持ってくれる。能動的に墓地に落ちることができるのも高ポイントである。

 色については本家カナスレと同じく青赤緑も考えたのだが、相手の妨害をしつつ能動的に墓地を肥やすという役割を考えるならば、稲妻やモグファナよりも強迫や布告の方が有力ではないかという個人的な考えである。

 青赤緑というカラーでのキュモディアンスレッショルドはまた別の有志に託そうと思う。

 サイドボードにおいて外せないと考えたのは《処刑/Execute》である。

 基準となる3/3を止められるタフネス4というサイズで現在主に使われている生物は圧倒的に白が多い。セラ天、稲妻天、堅牢隊……無論カウンターすれば良いのだが、カウンターをかいくぐって出てしまった生物に対処するには確実に除去できるカードが必要であり、そこでアドを失う要素はあってはならないと考えた。そこでキャントリップ付き白生物確定除去である《処刑/Execute》なのだ。プロ黒の白騎士もヴェクパラも気にしなくて良い。何故ならそいつらはマングースくんがそのまま乗り越えて行くからだ。

 《獣群の呼び声/Call of the Herd》のスロットに関しては良いパーツが見つからなかったため、ひとまずFoFで墓地に落ちても無駄にならない追加のクロックとして採用した。より良いサイドボード後の追加クロックが見つかればそれに替えるのが良いだろう。脳内構築時間は10分なんだ、許せ。

 

 ひとまず誰もが考えるであろうマングースを主軸に据えた旧枠モダンのカナスレ、キュモディアンスレッショルドの叩き台としてもらえれば幸いである。